2013年6月16日日曜日

桜並木の満開の下に

茨城県日立市を舞台にしたこの映画はなぜか今年4月の封切りの際には茨城県内の上映が一切ありませんでした。 当然映画撮影にあたっては市役所や地元のコミュニティにも情報が入ったはずで、せめてひたちなかや水戸での上映が行われなかったことについて、市役所や商工会議所に対して憤りさえ感じていました。 やがて、もう観ることはできないのかな、とこの映画のこと自体忘れていました。 一週間前に左ひざを傷めて、この週末はゆったり養生しようと思っていたのですが、嫁さんがずっと家に居るのは不健康だから映画でも観にいこうということになり、TOHOシネマズひたちなかのWebサイトをのぞいたらビックリ。この映画が上映されているじゃないですか。迷わずチケットをポチりました。 感想ですが、日立市を愛する人は、みなさんご覧なさいよという映画でした。 ストーリーは決して明るいものではなく、街の風景もどちらかというと暗くて寒々しく描写されています。市役所や商工会議所がこの映画の封切りに合わせて積極的にPRしなかったのは恐らくこれらの点が気に入らなかったのだと思います。 でも、この街が現在衰退の一途にあるのは曲げようのない事実です。でも、我々日立市民は、この街でもがき苦しみながら生きる登場人物たちに共感し、もっともがこき続けようと考えるべきではないかと思います。もがき続けることで、この街がかつてのにぎわいを取り戻すためになすべきことが見えてくるかもしれないのですから。 写真は映画にも出てきた震災直後の会瀬漁港付近の様子です(映画のカットではなく私が撮った写真)。
この街の震災被害は、福島・宮城・岩手に比べれば軽いものでした。ただ、それはあくまでも相対的なもので、沿岸部では家が流れたり港の設備が壊滅的な被害を受ける等、決して小さいなどと軽々しく言えませんでした。放射性物質が検出されて農業や漁業に携わる人たちは大変だったと思います。映画に出てきた町工場のように景気の影響を受けやすい中小企業は会社の存続さえ困難なほどの経営難に襲われたのではないかと思います。そんな震災の爪痕も映画は描写しています。 臼田あさ美と三浦貴大も好演していました。三浦貴大は良い役者さんになりそうですね。両親の三浦友和も山口百恵もモモトモ時代は決して芝居が上手いとは思わなかったのですが、中年になって以降演技に円熟味が増してきた三浦友和の背中を見て育ったのでしょうかね。 何はともあれ「面白い映画」とは言えないかもしれませんが、この街で暮らすということを見つめなおすという観点で、できるだけ多くの日立市民に観てもらいたい、そんな映画でした。
ところで、登場人物が茨城弁をぜんぜんしゃべっていないのは、変でした。 茨城弁の言語指導の先生を雇うには予算が足りなかったのでしょうか。

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